🍂季節の入り口
朝晩の冷え込みが増え、建物のメンテナンスが気になる季節になってきました。
今回は、昨年お手伝いした「病院の防水工事」を振り返りつつ、建物の漏水について解説します。
🛠️建物の漏水はどこから起きる?
漏水は大きく 「雨水漏水」 と 「雨水以外の漏水(配管)」 に分かれます。
しかし、実際のところ「発生源の特定」は簡単ではありません。
☔1.雨水漏水
■ 最上階で多い原因
- 屋上・屋根からの侵入
- ひさし部分の経年劣化
昨年担当した病院では、
- 屋根:ウレタン防水
- 外壁:コーキングと塗装の更新
を行いました。医療施設は常に稼働しているため、漏水対策は特に重要です。
🧱2.中間階の漏水
中間階ではさらに複雑化します。
想定される発生源
- 外壁(ひび割れ・目地の劣化)
- 出窓周り
- ベランダ
- タイル張り外壁の浮きや剥離部分
タイル外壁からの漏水は変化が外側に表れにくいため、発見が遅れがちです。
❄️3.天井からの漏水
先日の賃貸不動産経営管理士の試験会場でも、
天カセ(天井カセット)エアコン付近に漏水跡 がありました。
これは雨水ではなく、
- ドレン詰まり
- 結露
- 室内機の不具合
など、設備由来の可能性も十分あります。
建物のトラブルで多いのが、
給水管・排水管の劣化や詰まり。
主な原因
- 鋼管の腐食
- 継ぎ目の劣化
- 排水の逆流や詰まり
築年数が経つほどリスクは高まります。
📌まとめ:漏水は“建物全体”を見る必要がある
水はわずかな隙間を伝って移動するため、
「漏れている場所=原因の場所」ではない のが難しいところ。
だからこそ、
- 構造
- 経年
- 施工履歴
などを踏まえた総合的な判断が必要です。
✏️つぶやきメモ
防水工事は“作業”というより、建物の健康診断。
今日も建物の声に耳を傾けながら、丁寧に向き合っていきたいと思います。